「シダネルとマルタン展」について
新宿のSOMPO美術館で開催中の、「シダネルとマルタン展」についての感想。
会場に入った瞬間、パッと春の光の輝きが…!と思ったら、マルタンの《野原を行く少女》でした。
1枚目から目が釘付け。
アンリ・ル・シダネルとアンリ・マルタン、奇しくも同じ名前の2人の画家の響宴。
どちらの絵も素晴らしいのですが、今回額縁にも目が留まりました。
特にシダネルの《モントルイユ=ベレー、朝》の銀色のわりとシンプルともいえる額縁は、絵と良く調和しており、額縁があるからこそ絵が引き立つように感じます。
また、同じくシダネルの《モントルイユ=ベレー、紫陽花》の額縁は花が立体的に浮き彫りされていてかわいらしい。
気になった作品をいくつか。
■マルタン《青い服を着た少女》
鮮やかな青い服が背景の明るい緑と相まって美しい。
ただ、少女の目の部分がぼやかすように描かれているのが少々怖い…。
《オデット》も同じような描き方、笑みを浮かべているので個人的にはより一層ホラーっぽいなあと思うのでした。
■シダネル《ジェルブロワ、離れ屋の前の小卓》
暖かな気持ちになる一枚。
薔薇に覆われた家の窓からオレンジ色の明かりが、かわいさと素敵さがいいバランスです。
■シダネル《ヴェルサイユ、月夜》
噴水は控えめに、メインは月が輝く夜空ですが、この月と雲の感じはなんか見たことある…。
フランスでも日本でも、そして時代も違えど同じような夜空が見られるのかと不思議な気持ちになりました。
■マルタン《窓際のテラス》
大きく開けられた窓から見えるのはおそらく空と海。
窓の外の広々とした空間が想像でき、伸びやかな気分になります。
絵の中に描かれている椅子に座って、一日ぼんやり風景眺めていたいものです。
どちらを見ても素敵な絵ばかりでほっこりする展覧会でした。