「スコットランド国立美術館 美の巨匠たち」について
東京都美術館で開催中の、「スコットランド国立美術館 美の巨匠たち」についての感想。
ルネサンスから19世紀までの、有名どころが勢揃いで見ていて飽きない展覧会。
時代も題材も違いますが、全体的に落ち着いた色彩で統一された展覧会のように感じました。
気になった作品をいくつか。
■エル・グレコ《祝福するキリスト(「世界の救い主」)》
素朴なようでどこか超越したようなキリストの表情。
くすんだ色彩と相まって、いつまでも見ていられる作品です。
■ディエゴ・ベラスケス《卵を料理する老婆》
10代の時に描いたものとか。
題材選びも絵そのものも、そんな若いときに描いたとはとても思われず、才能に戦慄する思い。
■ジョン・マーティン《マクベス》
空中でシンクロナイズドスイミングみたいなポーズをとった3人の魔女、少し離れたところにいるマクベスとバンクォー。
こんな会話が聞こえてくるようでした。
「マクベス、そろってあんな変なポーズしてるなんて絶対頭おかしい、近づかないほうがいいって!」
「臆したかバンクォー、あんなもの恐れるに足りん!」
結果は推して知るべし。
■ジョン・エヴァレット・ミレイ《「古来比類なき甘美な瞳」》
この画家の描く女性は物語性があり美しく魅力的だなあと思います。
左斜め上を向いた少女は何を見ているのか…。
綾瀬はるかさんに少し似ているような、他の方も同じ感想を抱かれたようで話されているのが聞こえてきて面白い。
スコットランド国立美術館の写真を見たら堂々たる建物。
いつかこの美術館の真っ赤な壁の部屋で再び同じ絵を眺めてみたいものです。