「上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー展」について
東京の三菱一号館で開催中の、「上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー展」についての感想。
最初から最後まで、とにかくかわいい、としか言いようがありません。
草花や野菜を抽象化したデザインに落とし込むのが本当にうまいというか、色の組み合わせ方もなんとも心惹かれるものがあります。
同じデザインなのに色を変えるだけでガラッと別物のように印象が変わるのも面白いところです。
テキスタイルや壁紙のデザインが多かったですが、鳥のデザインを見ていたら、少し時代の重なっているフィンランドのルート・ブリュックを思い出しました。
気になった作品をいくつか。
■《ウィーン工房の封筒》
上野リチが勤めていた工房のもの、作者不詳のようですがロゴがかっこいい。ここに頼んだらセンス良いものを作ってくれるだろうと期待ができます。
■《スキー用手袋刺繍デザイン》
スキーだけに使うのはもったいない華やかさ。これを着けられるなら寒さも待ち遠しいものになりそうです。
■《七宝飾箱デザイン》(複数あり)
馬のサーカス、草叢の虫、結婚式など、デザイン画と実際の飾箱どちらもありましたが、見比べていると飽きません。
ただ、真っ黒で丸い人の目は絵だとかわいいのですが、飾箱にするとちょっと虚無っぽい感じで少々ホラー入ってる気も。
■《マッチ箱カバー・デザイン》(複数あり)
どれみてもかわいらしい。とくに建物をデザインしたものは色合いといい、マッチを使い切っても箱は飾っておきたい感じです。
これほど素敵なデザインを生み出せる人の目には世界がどう映っていたのだろうか、と少々気になった展覧会でした。