「バンクシー展 天才か反逆者か」について
原宿で開催中の「バンクシー展 天才か反逆者か」についての感想。
最初から最後まで違和感があったのですが、その原因はひとつひとつメッセージ性が強いためかもしれません。
例えばモネとか印象派の画家は見えた風景をキャンバスに写しとろうとしましたが、そこに問題提起はないと思われ、見る側としては綺麗な風景だな、と心洗われるわけです。
ところがバンクシーは時事に関わる何かしらを訴えているのでどうしても考えざるをえず、かわいいネズミだね!では終わらない…。
バンクシーは天才とか反逆者という言葉よりも、なんとなく革命家という表現のほうが合うような気がしました。
個人的に印象に残った絵をいくつか。
■グリン・リーパー
イギリスらしい時計の上にスマイリーの顔を持つ死神が可愛い怖い感じ、ふとブギーポップを思い出す。
■セール・エンズ
本来キリストが磔になっているであろうところに「SALE ENDS TODAY」とあり、周りの人々が嘆いている構図、皮肉が効いている。
ちなみに会場の外のチンパンジーは、この角度だと廊下に立たされてしょんぼりしてるようにも見えるような。
まるで“現在の世界“という本の挿絵を見た気分になる展覧会でした。